IPv6導入のメリットとは
IPv6は、IPv4に代わるものとして生まれた規格です。
では、これまで主流として用いられてきたIPv4と、IPv6にはどんな違いがあるのでしょうか。
この記事では、IPv6導入のメリットをご紹介します。
IPアドレスをたくさん使用可能、管理が簡単になる
IPv4が運用され続けるに当たって問題として浮上していたのは、「IPアドレスの枯渇」でした。
ネットワーク上の住所であるIPアドレスが足りなくなってしまえば、新しい機器に割り当てることができなくなってしまいます。
IPv6はそんな背景のもとで規定された新しいプロトコルで、2^128個のアドレスを確保しています。約340澗個となりますが、もはや想像もしづらい数ですね。
このようにIPアドレスがたくさん使用可能になると、IPv4のアドレス枯渇対策として用いられていたNATという装置が不要になります。
今までは、端末ひとつひとつはローカルIPアドレスで管理して、インターネットに出るときはNATでローカルIPアドレスをグローバルIPアドレスに変換、というひと手間を取っていました。
グローバルIPアドレスは代表電話番号、ローカルIPアドレスは内線番号と思えばわかりやすいでしょうか。
IPv6ではグローバルIPアドレスが潤沢にあるため、わざわざローカルIPアドレスとグローバルIPアドレスを分けて管理する必要がなくなります。
セキュリティへの取り組み向上
IPv6には、暗号化通信機能が標準化されています。「暗号化通信を推奨します」とプロトコル側で定められているのです。
IPsecというプロトコルは、前述のNAT仕様の事情で、IPv4では使用することが難しくなっていました。IPv6では、NATが不要になったことで、IPsecの暗号化機能を使用しやすくなったのです。
もちろんそれだけでセキュリティ問題がすべて解決するわけではありません。しかし、より安全に使用できる発展であることは確かです。
より速度が高い接続形式、IPoEを使用可能
IPoEとは、ネイティブ接続とも呼ばれる接続形式の一つです。
従来の接続方式、PPPoEでは、「網終端装置」を経由しなければなりませんでしたが、IPoEでは不要です。
網終端装置を通ることで、速度が落ちてしまいがちであるため、PPPoEよりもIPoEの方が回線速度が出やすいと言われています。
IPoEは、IPv4では利用できませんでした。そのため、これはIPv6を使用するメリットと言えるでしょう。
IPv6の利点を見極め、移行の検討を
2020年現在、IPv6での接続が普及しきったとは言えません。
IPv4とIPv6が共存していることで、その両方のサービスを提供し続けないといけない事業者側には、負担がかかり続けているとも言えます。 ここまでご説明した通り、IPv6には利用者のメリットも多くあります。インターネット全体の発展を留めないためにも、早々の移行がおすすめです。